2011年6月9日木曜日

「電子書籍は危険」か?

面白そうと思って原本(たぶん)まで探しました。
つたない英語力とGoogle翻訳よりいくらかマシのようなinfoseek翻訳で読んでみました。

☆GNUプロジェクト創設者のリチャード・ストールマン氏、「電子書籍は危険」と警告
http://news.livedoor.com/article/detail/5619849/

☆The Danger of E-books Richard Stallman
http://stallman.org/articles/ebooks.pdf

印刷した書籍とAmazonのebooksを比較していますが、一番最初の、

With printed books,
You can buy one with cash, anonymously.
Contrast that with Amazon ebooks (fairly typical):
Amazon requires users to identify themselves to get an ebook.
から論点がおかしいように思えます。

「あなたは書店で現金払いだったら名乗らずに買えるけど、アマゾンで電子書籍を購入しようとすると個人情報を要求されるよ」と言うことなんでしょうけれど、これは書店でもカード払いだったらダメだし、アマゾンで通常の書籍でもダメなわけです。
文章の感じからすると、「知っていて無理難題」みたいな底意地の悪い印象が漂っているような。
「ざっと目を通すことができる」というのは印刷した書籍の利点だと思います。
ただ、それは電子書籍の欠点というより、ハードの欠点のような気がします。
「ハードも含めて電子書籍」ということであれば、現状では仕方がないことでしょうが、「ざっと目を通す」に「検索する」を含めれば印刷した書籍に勝ち目はありません。

「買った本を所有できる」は利点のような気もしますし、大量に所有すると場所をとって邪魔と思うこともあるので欠点のような気もします。

ライセンスとか契約の問題は「電子書籍だから」でもないように思います。
一般書籍だったら「何も気にせず自由」というのは、青いというか、夢見がちというか。

ここでは論じられていないと思いますが、記録媒体として考えると電子書籍の永続性は低いかな、と感じます。
例えば、テープや8インチのフロッピーで保存した書籍があったとしたら、今では読むことが難しくなっています。
ただ、それも印刷した書籍だったらいいかというと、紀元前3000年くらいから現代まで残っている粘土板と比べたらはかないでしょう。

だからと言って、リチャード・ストールマン氏が「印刷した書籍よりも粘土板が最高だ。グーテンベルグの印刷技術さえ必要としない」と言い出すとは思えません。

技術は人の使い方次第のように思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連記事です